今の人間は老後の年金や介護の不安を誰もが予知している
人間は未来を予見します。動物であれば未来を予見しない。彼らが認識しているのは、過去も未来もない。自己保全の利益と種の保存、遺伝子プログラムに従って生きることで精一杯であるとも思えます。主に後者でしょうか。
トラブルを予想して事前に準備することが必要
人間が未来を読むことができるようになったのは集団生活を始めてからかもしれません。獲物を捉えるために計画を立てる。トラブルを予想し、その対処を事前に準備しておくといったことです。
農業が始まってからはより未来を予見する必要がある。人口が増えれば、それを支える食料が必要です。天候はどうなのか、農業に必要な水場は近くに存在するか、様々なことをより先のことまで予想しなければなりません。
飢える自由
さらに進んで、産業革命によって、現在の経済社会の基礎ができてきます。債権ですとか、未来の弁済期を気にしながら経済が成り立ち始めます。
企業も仕入れ先から部品を納入する、販売先を決めて売却するといった一連の過程の中で未来を予測していかなければなりません。自由は経済的な格差を産み、他方で環境破壊を進めていきます。
貧しい人間にとって、自由は飢える自由になり、水や空気が汚れていきます。これらの問題は社会内部で解決することができず、国家が介入するようになってきます。
未来を予測し限りある資源をどう配分するか、未来の世代の負担まで考慮にいれた経済発展とは何かが考慮されるようになります。
老後の年金や介護が不安で鬱になる可能性もある
こうした歴史的経緯から、人類は未来を予測して行動することが基本になり、老後の年金ですとか、介護ですとか、収入が減少するといったことに不安を抱えるようになります。
これが原因でうつ病になる人もいると言われています。金銭的不安が健康にも影響することがあります。人類は未来を読むことで生産性を高めてきたわけですが、一方で考えることを意識的にやめるということも大事かなと思います。
絶えず未来を考えれば、心は休まることはない。安全や安定というのは幻想です。文明は常に変化してきたし、不確実で不安定なのが世界なのです。
だから、未来を考えることは苦しみを生む行為です。それはそれで大事なのですが、囚われすぎれば健康を失うわけです。
不安を感じているだけでは何もはじまらないので…
どれほど不安を感じても、どれほど国の未来を憂いても、思っているだけでは自分も、あなたが大切にしてい人も守ることはできません。一つ一つやれることをはじめていきましょう。